オーストリアのグフタフ・クリムトの「接吻」です。この絵を初めて意識して感銘を受けて見たのは、銀座の伊東屋です。
何か面白い文具ないか、、、とブラブラしていたらポストカードがラックにかかっていて、で一番手前に斜めに差し込んであったこの絵を手に取って衝撃を受けました。
多分初めて見たわけでもなく、このような作品がこの世に存在することは知っていたはずですが、カードを裏返して作者名などを確認したはずです。
こんなに衝撃的でほかに類を見ない美しいものが世の中にあるのなら、それを少しでも知ったほうがいいな、知らないでいることはいけないこと、もったいないことだ、、、ぐらいのことを思った記憶があります。
この時のことがきっかけではないですが、それほど思いつめたわけではないですが、初めての欧州旅行はウィーンとザルツブルグで、このクリムトの絵はベルベデーレ宮殿のオーストリア絵画館で観ました。
だいたい正方形に近く、ガラス張りでほかの作品とは一線を画した扱い。
クリムトはちょうど百年くらい前、1918年に56歳で亡くなりますが、なんだかとっても新しい感じで、しかもクリムトは熊さんみたいなもっさりした人ですが、描かれた絵からはスマートでクールな印象を受けます。
旅行をしたら、その時一番印象にある、その旅行を象徴する一枚を壁に飾っています。
この時の旅行はこのクリムトの「接吻」、ローマの時はシスティーナ礼拝堂の天地創造のリビアの巫女、、
そしてミラノの時はブレラ美術館のアイエツの「接吻」です。
この絵には当時の政治的なことが隠喩的に語られているそうです。なんとなく非常事態を感じますよね。
実は主人が部屋を片付けたら、娘たちが置いて行った絵ハガキなどが出てきました。すっかり整理したつもりでしたが、取りこぼしてました。
美術展のチケットやらもどっさり出てきて、美術鑑賞の趣味はまず長女が最初、そして姉妹二人でオランダとベルギーに旅して、そこで美術館をいくつか回り、下の娘もすっかり美術作品に魅せられて、それから美術展などに行くようになりました。
わたしは娘たちがいい趣味を持ったことを喜んでいましたが、自分には無縁、といいますか余裕がない感じでしたが、2008年、長女が一緒に買っておいてくれた上野のルーブル展の最終日にやっと行って、そこでルーベンスの神話画に鳥肌立って感動してから勉強しだしました。
話が逸れましたが、きょう娘たちが残していった、ポストカードの中に、やはり接吻がテーマの一枚を見つけまして、それは最近また美術史の勉強をしだして、つい昨日くらいに触れていたので、わたしはすでに過去に実物を見ていたんだな、とうれしく思ったわけです。
ジャン・オノレ・フラゴナールの「盗まれた接吻」ドラマチックなタイトルです。
これはマリーアントワネットのお抱え肖像画家のエリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの名前が冠についた、東京での美術展だったように思うのですが、会場やらタイトルやら細かいことは忘れました。
絹のドレスの質感が素晴らしいです。1780年の作品ですが、この衣装やカーテン、などの質感をどのくらい上手に描くか、ということも画家の腕の見せ所だったようです。
この三枚目は飾ってませんが、今またおさらいしだしたタイミングで、忘れられた引き出しから出て来て、記憶に残る一枚になりそうです。
他に我が家の壁を飾るのは、マドリッドの時はピカソのゲルニカ、、、とかですかね。
上のクリムトの女性、なんて可愛らしいんでしょうね、、わたしにはお父さんにかわいがられている女の子のようにも見えてしまうんですよね、、、子供って、親にかわいがられても、こんなうっとりとした表情しますからね。