ジュゼッペ・アルチンボルトの「ルドルフ2世の肖像」です。この奇妙な絵は新しさも感じられますが、1590年の作品で、アルチンボルトは神聖ローマ皇帝ルドルフ2世のお気に入りでした。
この皇帝は変わり者で、政治は弟任せで生涯独身、ウィーンではなくプラハに宮廷を構えて、芸術や錬金術など、興味は多方面でそれに携わる芸術家や科学者などを庇護しました。プラハに旅行した時に、この皇帝が心酔していた錬金術師が住んでいた家を観ました。
みずみずしい果物や植物で、モデルに似せて、しかも皇帝らしい威厳も表現されていて、素晴らしいんじゃないかと思います。
ルーブルにある四枚の「四季」、とかほかにもこの人の作品は画集などでたくさん観ましたが、(わたしは行ってませんが日本で時々アルチンボルト展をやってますからご存じの方は多いかも)中には気味が悪いようなものもありますが、この作品は面白く鑑賞できます。
さて、きょうは作者や作品やモデルのことではなく、、、、
副題は(ウェルトウムヌスに扮するルドルフ2世)となっていて、このウェルトウムヌスは何ぞや、ギリシャ神話当たりの誰か、くらいは見当がつきますが。
で、きょうは鹿島さんの美容院に行くので、あとで調べよう、と出かけました。
帰りの電車の中で、最近一番熱心に勉強しているギリシャ神話の逸話を読もうと目次をめくっていましたら、ありました。
ウェルトウムヌスは庭園の神様、単独で語られるより、ポモナという植物や果実を司る女神様と一緒に語られることが多いそうで、さっそくこの二人?の神さまの名前を連ねた絵画とお話をいきなり見つけました。
これが言いたかったわけですけどね。このぴったりなタイミングの出会い。多分トップの絵画のことを、いつものようにただ眺めているだけだったら、帰りの電車でいつものようにギリシャ神話を勉強しても、この神様たち知らない、とやはりスルーしていたと思います。
毎朝、一枚づつ送られてくる絵画のおかげです。五月の末からウェブで受講している美術セミナーで、土日以外、毎日送られてきて、そろそろ百枚になろうかというところです。
送られてくる作品は知っているもののほうが断然多いのですが、簡単な解説が添えてあり、そこから自分で調べたりして広がっていきます。
その解説の長さがいいなと思います。ちょっと短く感じられて物足りないような、ですがこの作品だったら、ここだよ、、、といったな観点が指摘されていて、あとは自分で勉強できますし、
調べてもちょっと違うんじゃないか、みたいなことはメールで質問いたしますと、丁寧に返事をくださいまして、まだ数回ですが、その内容がまた素晴らしいんです。
こんなふうに知ったことがつながって広がっていくのは本当に楽しいし、自分が進めている勉強の方向は間違ってないと確認でき、やる気になります。
ちなみに、このルドルフ2世も、ハプスブルグ家独特の長くてしゃくれた顎をされています。そのしゃくれた肖像画もウィーンの美術史美術館で観てきて確認しておりますが、上のだまし絵的肖像画では、あごはしゃくれてませんね。
ハンス・フォン・アーヘン作 1600年頃。ルドルフ2世はこんな感じの方。
だとすると実際のところ、実際よりハンサムに描けてるかも。