ヴェネチア史を習っています。

今月から早稲田大学にイタリア史を勉強しに通い出して、10回のうちほぼ半分は、ヴェネチア史をやります。昨年秋のコースでミラノやトリノあたりをやったそうで、

だんだん南下してきてます。イタリアは都市ごとに違う国だったので、その国の歴史と、更にお互い同士の関係もあるし、なかなか大変です。好きなところだけやるのもありですしね。

ヴェネチアは行ったことがありませんが、息子にどこに行きたい?と聞くとヴェネチアと答えましたね。その時は、へぇ!と思ったものでした。だいたい息子の言うことにはいつも何か意外なような、そうだったの?みたいなところはあり、へぇ!はいつもの感想。

ヴェネチアは徒歩と船だけの街で、まあ相手にはならないな、という印象ですが、ですから、昔はものすごく栄えていてお金持ちの国だったとはイメージしにくいです。

ヴェネチアあたりの半島の付け根のところは いろいろな部族の通り道で、そこから最初は本当にあったトルチェッロ島に逃れ、そこだけでは足りなくなって、人工の島ができたそうです。

内海でもあり、リド島が守るような形で存在したので、そのことも栄えた理由だそうです。

近くを通る部族に征服されずに、ローマ帝国の支配にも属さずに、独自に栄えてきた、他にもフェッラーラなどもそうですが、その中でももっとも大きな都市です。

若い人がどんどん減っているそうで、今回イタリア語の中級からお世話になるイタリア人の先生は、クレモナ出身で、ヴェネチア大卒とのことで、大学はあるので学生はいるそうですが、行ったことはなくても若い人が外に出るのはわかるような気がします。

先だって読んでいた須賀敦子さんの著作に、ヴェネチアを「世にも不思議としか言いようのない虚構の賑わいと、それとはうらはらな没落の憂鬱にみちた島」と書かれていて、須賀敦子さんは、みなさん優しいとか心地いい、とかそんな口コミ多いですが、わたしは須賀さんは露骨で辛辣なかただなと思います。そして、よく覚えてないとおっしゃいますしね。だから、ちょっと好きになってきました。

授業を受けられている方は、みなさんイタリア好きだと思います。先生のお話を聞いているとイタリアに行きたくなります。どこにも行ったことがないから、どこに行ってもいいわけで、今回授業で縁のあるヴェネチアは、次の旅の目標にしましょうかね。

ミケランジェロより15歳ほど年下のティツィアーノはヴェネチア派の巨匠ですが、明るい色彩に特徴があり、運河の水に光が反射して街には独特の明るさがあるから、と聞いたように思いますが、音も同じで、狭い路地に建物が密集して、壁に、それに水にも反響して不思議なところから不思議な音が聞こえるところらしいです。