音楽を感じる小説

きょうはいい天気、あったかいですし、、、

窓を開けっ放しにしております。

ものすごい開放感。主人が午後は何やらのセミナーに出て、その後宴会、明日は金沢に出張でご飯がいりません。

さて、例のノーベル賞を獲られたカズオ イシグロ氏の本を読み進めてきました。

「遠い山なみの光」

「浮世の画家」

「日の名残り」

「充たされざる者」

「わたしたちが孤児だったころ」

「わたしを離さないで」

「夜想曲集」

「忘れられた巨人」

と順番に読み進めて

今現在は最新作の「忘れられた巨人」を読み始めましたが、ここのところの躁状態で、じっくり本など読んでいられません。

ですが、46ページまでは進みまして、その間にすでに結構泣いております。

感動の涙ですが、涙腺に躁状態も影響しているでしょうね。

遠い地に暮らす息子に会うために長年暮らした村をあとにした老夫婦、と紹介文にありまして、なんだか我が身と重なってそれだけでも泣けるわ。

わたしにもちっとも会えない息子がおりますので。会えない事情などありませんのに、、、

さて、「わたしを離さないで」ですが映画を見ておりましたが、WOWOWで何度もやりますから、また観れると甘くみてました。

先だって受賞記念の放送があったので今度はちゃんと観ました。それで大事な鍵となる挿入された音楽に気づきました。

このお話はありえない、あってはならないクローン人間のことでして、人間の生存のために、臓器提供者として作られたクローン人間たち。

心ある教育者の力によって、いくつかの臓器の提供をして、いずれ完了、という死を迎えることがわかりきっているクローン人間の子供たちにも

教育を受けさせようと、全国にいくつもある学校の中でも、この学校は、実験校のような感じで、子供たちに絵を描かせてみたり、文学に親しませたりするのですが、

結局その努力は報われず最後はクローン人間に魂はない、教育はいらない、ということになるらしく、、、

挿入された「N ever let me go」はこの小説の映画化のために作られた曲らしいですが、

イシグロ氏の創作上の歌手、ジュディ・ブリッジウォーターがため息つくように甘く歌うこの曲は、恋愛の歌にしか聴こえないのですが

主人公の女の子は、母親がやっと恵まれた赤ん坊を抱きながら、お母さんを離さないでね、と言っている曲だと解釈していて、、、

その辺がクローン人間たる所以か、泣かせます。

主演のキャリー・マリガンは陰気臭い女優さんですが、はまり役でとても良くてこの映画でなにかの映画賞も獲られてます。

イシグロ氏は世界中の人に読まれることを意識して書かれるそうで、ですのでイギリスの一部でしか使われないスラングは使わない、とかそういう工夫は読んでいて感じられます。

とにかくとても読みやすいです。この8冊を4人の方が翻訳されていますが、どなたもとてもお上手で、ちゃんとイシグロワールドが同じく伝わってきて

それこそが翻訳されても輝くイシグロ氏の命なんだと思います。

この曲はYouTubeで結構聞きました。イシグロ氏は最初、ミュージシャンを目指していたそうですし、

「遠い山なみの光」では主人公の女性がバイオリンを弾かれるんだな、と連想させるところや、とにかく音楽へのこだわりが伝わります。

ですから映画で使われた、この創作上の歌手の創作上の曲の出来栄えには満足されていらっしゃるんじゃないかな?と思って聴きました。いい曲です。

わたしの聴いた感じは、あのビギンの「恋しくて」みたいな甘いバラードです。