先月終わってしまった「カラヴァッジョ展」ですが、その開催にちなんで塚本 博先生の美術講座でお勉強しました。カラヴァッジョは美術史の流れとしてはバロック時代にあたりまして、カラヴァッジョはその代表的な画家ですが、バロック時代はむしろ彫刻に顕著な時代のようで、その代表としてのローマで観たベルニー二の彫刻作品は本当に素晴らしかったですから納得です。
ルネサンスはフィレンツェ、バロックはローマ、という認識で行ったのですが、ローマはミケランジェロもラファエロも溢れていて、やはり時の教皇は自分の権力の誇示と人々の宗教心を駆り立てるために、ローマ人ではない彼らを呼び寄せて、いろいろお仕事をさせています。
ヴァチカン美術館の目玉はこのふたりですからね。
実はわたしは、ミケランジェロはそんなに好きではなく、教科書に載っていたダビデ像や天地創造の天井画のことくらいしか知らなかったのですが、ローマに行ってみてびっくり。
その仕事量がすごいです。彼は彫刻家を自負していますが、建築家でもあり、ヴァチカン大聖堂をはじめ、いくつもの教会を設計し、広場も設計し、階段も設計し、、、、
システィーナ礼拝堂の天井画も画家ではないからと、やりたくなかったようですが、何年もかけて一人で勤勉にやり遂げ、また、最後までやりたかった仕事も、教皇が変われば、それを放棄して次の教皇の仕事をやらなくてはならなくて、その未完をずっと気にしていたりと、仕事には真摯にむきあったひとですね。
人付き合いが下手で偏屈と言われていますが、政変で、スポンサーが変わっても、うまく立ち回るとかそんなふうでもなくて、それでもうまく乗り切りその辺は、強運で偏屈の世渡り下手のようでもありません。
ローマを歩けば、ミケランジェロの勤勉さ、仕事量の凄さは感じられ、それだけでも天才ではないかと思いましたね。ローマに行ってミケランジェロが好きになりました。
本当は塚本先生に伺ったバロックのお話のつもりがミケランジェロになってしまい。
美術史も面白いんですよ。バロックの巨匠ベルニーニの、唯一の実在女性の肖像彫刻がフィレンツェのパルジェッロ博物館にあるようで、それは今回のフィレンツェ旅行で見れるなと楽しみが一つ増えました。