街のシンボルは目に入れば撮りたい美しさ

フィオーレは花という意味ですから、フィレンツェは花の都といったところで、街のシンボルは、司教座聖堂でこれをドゥオモと言うようですが、もちろん見学しましたし、クーポラにも登りましたし、姿の見えるところは何度も通りかかりました。大きいので遠くからでも見えますし。

正式には花の聖母マリア大聖堂と言い、赤茶色の丸屋根クーポラを載せたドゥオモと、手前東側にある八角形のサン ジョバンニ洗礼堂と右側、ドゥオモの北側にあるジョットが設計した鐘楼とこの三つがセットです。

最初の取り組みから100年以上かかり、最初に設計されたプランは後年、その技術がないということで頓挫して、どうしたら100mメートルを超える高さに屋根を作れるかコンクールで案を募ったそうです。

その中には土砂を積み上げて作業が終わったら土砂をかき出す際、土砂の中にはあらかじめ銀を混ぜておいてその銀欲しさに人々の士気を高めたら、と言う案もあったそうです。宮下 孝晴先生のフィレンツェ美術散歩という書物でこれを読んだときは大笑い、娘にも伝えたら彼女も大受けでした。イタリア人ってね、楽しいですわ。

大聖堂は、ファサードと言う前面だけでなくサイドも後ろ側もどこもかしこも白、ピンク、緑の大理石で装飾されていて美しいだけでなく、その大きさにも圧倒されます。

のちに、ヴァチカンのサン ピエトロ大聖堂の再建をミケランジェロに依頼した教皇は、フィレンツェの大聖堂のように頼むと言ったらしいのですが、ミケランジェロは、あれより美しいものは作れません、と返したそうです。大きさではヴァチカンの方が大きいですが,花の聖母マリア大聖堂は、花と言うに相応しい美しさです。これ見るだけでもフィレンツェに行った甲斐がありました。