ノーベル文学賞をカズオ・イシグロさんが獲られました。おめでとうございます。実はこの方はノーマークでした。もちろんお名前は存じ上げておりましたし、彼の原作を映画化した「日の名残り」と「わたしを忘れないで」は見ておりまして、大抵原作者や監督、キャストなどはいちいち確認しますのでカタカナで書かれたそのお名前は、どう見ても日本人名ですし、、、、本来ならそこで興味を持ってもう少し詳しく調べたりするのですが、そのカタカナで記されたイシグロさんのお名前はあまりにも不思議な感覚で、それでよし、と完結していました。
年間かなりの数の映画を観ますが、過去見た映画のベストテンは?と聞かれたら答えるのはいつも何年も同じかな?ローマの休日、さよならゲーム、ファビュラス ベーカー ボーイズ、ゼロ ダーク サーティー、などですが「名の名残り」はとにかくものすごく感心してしまい間違いなくベストテンに入ると思います。
イギリスのある時代の特別の世界のお話ですが、その格調の高さと、あまりにも厳格に守られた格調にどうせならこのくらい徹底しないと、これほどに徹底していることだけで、アンソニー・ホプキンス演じる主人公の人生は価値があったと言えると思いました。
そしてエマ・トンプソンがまた、その時代のその階級のイギリスの女性の感じが表現できていて、原作がなんと日本人と言うのですから驚きです。
イシグロ氏は5歳でイギリスに渡って日本語もほとんど話せないそうで、イギリスのことを相当にお勉強されたんでしょうが、さることながらイギリスを感じ取られてこられたんでしょうね?
早速昨日、早稲田エクステンションの帰りに本屋さんに寄ったら、店員さんはなんのこと?みたいな反応でした。ノーベル賞取られたでしょ、と言いますと、昨日のことなのでまだ準備ができてない、とのことで、普段の棚に案内されると2冊しかなく「わたしたちが孤児だったころ」を選んで少し読み始めました。
翻訳で読むのも不思議な気がしますが、読みやすく順調に読み進めそうです。翻訳ものは翻訳次第です。
まだ少しですが、ノーベル賞を取られたお話しなんだ、ということは感じています。文学賞はこうやってわたくしにも読んで共有できるので、イシグロさんの受賞はとりわけ嬉しいです。