泣けた「母と暮らせば」

雨が降ってますし、三連休の真ん中ですのに、主人も娘も出勤していて、イマイチな日曜日。

きょうは夕方、錦織の決勝戦やりますので見ます。16日から始まる全豪オープンの前哨戦ともいうべき試合です。ジョコビッチは他の大会ですでに今年優勝しているとかで、彼も調子は良いようです。

先だって「母と暮らせば」という映画を見ました。母が吉永小百合で、息子が二宮 和也です。

息子は長崎に原爆が落ちた日に医学部の学生として授業を受けていて、被爆して亡くなっていて、登場するのはおばけ。

わたしはこのおばけには惹かれます。後ろ髪引かれて、残したものに執着して出て来ずにはいられない気持ちがわかる気がします。

母と息子の婚約者が仲良く3年間、まだどこかに生きているのではないかと、心当たりを探し回り、疲れ果てて、もう三年経ったし、あの子のことは諦めよう、と婚約者に語ったそのすぐ後に、息子がおばけで登場します。

なんで今頃と聞く母に、母さんがちっとも諦めないから出て来れなかったと、、、それもわかる気がする。

この息子は母さん母さんと、甘えていておしゃべりで、こんな息子にしかも医学生だった息子に死なれたら、そりゃなかなか諦めきれない母の気持ちも痛いほどわかります。

この女性はご主人も長男も戦争で亡くされていて、医学生なら兵隊にとられないから死なない、ということで次男を医学部に行かせたくらい。

だのに原爆が向こうからやって来て。

度々息子は母のところに出て来て、楽しく時には真面目に深刻に、例えば婚約者を解放してあげよう、あの娘にはあんたのぶんも幸せになってもらおう、と母に諭されたり、、、、そういう息子にとって辛い悲しい話になると、息子はポタポタと大きな涙をこぼし消えてしまいます。

母もそれがわかって来て、悲しまないで消えないでと言うようになるのですが、その頃になると息子はしっかりして来て大丈夫、僕は泣かないよと、おばけながらも成長しています。

結末は意外で母は疲れたと言って早めに寝て、そのまま死んでしまいます。息子が母の手を取って、母さんはもうこっちの世界の人なんだよ、と言って起こして連れ行きます。

息子が泣かなくなるにつれて母は弱っていたようにも、、、なかなか我儘な母さん大好きな息子で、そこは目が醒めるようにこの映画のよかったところです。

母さんに好意を寄せる生活力のある男性もいて、母さんはあの人と結婚して幸せになって、と息子が言うのもありと思いますが、息子は大好きなはずの母の命を削らせてとうとうあの世に連れていく、とても子どもらしいのではないかと思います。

ファンタジーです。母が弱って死んでしまったのは息子を探して街中を歩き回って被爆したからじゃないか、その辺を描いて欲しかった、とかいう口コミもありますが、これは甘えん坊で母さんが大好きな息子が、お母さんをそばに呼びに来たお話とわたしは思いました。

最近はわたしもひからび気味でなかなか泣きませんが、この映画は泣きました。

母さんを想う生活力ある上海のおじさんと、お隣のおばさんがとてもよく、脇役で引き立っていたし、この二人で母さんが亡くなっているところを見つけるのですが、隣のおばさんは母さんを抱いて、一人で逝ったの?かわいそうに、と泣くんですが、わたしも同時に同じことを思っていたので泣けました。

人は生まれるときと死ぬときは1人と言いますけど、まあ一度はやり通せて来てますからね、死ぬときも一人でやれないことはないんでしょう。