須賀敦子さんの「ミラノ霧の風景」

昨年の今頃、三田のK塾大の外国語講座のイタリア語基礎コースに入り、10人の生徒で始まりました。

最初はお楽しみの自己紹介と何故イタリア語を勉強しようと思ったかの発表。

お一人70歳で、今年銀行を辞める予定という紳士がいて、その方は須賀敦子が好きで、でイタリア語をやってみたかったとのことで、実は須賀敦子さんは、お名前は聞いたことはあるようで読んだことのない方でした。

それ以来、須賀敦子さんはいつか読まなきゃ、というリストに入っていて、とうとう読み始めました。

先だってから内田洋子さんは二冊読んで、で続いて須賀敦子さん。

内田さんはわたしより少し歳下でまあ同世代です。

須賀敦子さんは母と同世代で、その時代にイタリアに暮らした方ですので、まずは時代考証を鑑みながらの読書で 、心地よい文章との評判ですが、わたしは内田洋子さんの著作の方が読みやすいです。

内田さんのご本はたくさん出ていますが、先だって読んだ「ジーノの家」と「ミラノの太陽、シチリアの月」は文庫本になっているので読みましたが、他は文庫になるまで少し待ちます。

須賀敦子さんを読んでいて、共感できるのはどうしてそこに居たのかわからないが、とかいつのことだったか、とかそんな表現が多く、忘れるのはありだな、と、ほっとするような安心感を覚えます。

人間は忘れないと生きていけませんね。都合のいいところは覚えていて、で、なんとなく噛み合って暮らしていけますね、助かりますわ。

須賀敦子さんはイタリア人のご主人を41歳という若さで亡くされていて、ご自身も70歳前に亡くなっていて、残念だな、と思います。