ずいぶん福々しい幼児です。タイトルは「十字架の上で眠る赤子のイエス・キリスト」グイド・レーニ 1625年作、現在は個人蔵となっています。
ルネサンスの次の時代がバロックで、その時代のイタリアの画家ですが、ラファエロの再来、と言われた人のようで、均整の取れた美しい絵を描く人です。
過去にイタリアでいろいろ絵画を観た時には、この人は意識してなかったので、あの時のあれがそうだな、と今になって思い当たる作品は幾つもあるのですが、もう少し下調べをしていってしっかり見てくればよかった、という人の一人です。
今後の鑑賞ではしっかり観ていきたいです。
キリストは将来の過酷な運命を暗示するように、普通はこんなに幸福感あふれて描かれる印象はありません。
この絵は一見天使かしら?と思いますが背中に羽はなく、傍らにいばらの冠が置かれていますし、十字架の上で寝ています。
この場合、これは天使ではなく、キリストだということを示す道具がいばらの冠と十字架で、それをアトリビュートと言います。
美術史を勉強していく上では、このアトリビュートを覚えることも重要なことです。
ですが見落としてばっかりで、なかなか作品の中に、それを見つけることはできません。
この作品はわかりやすいですが、赤子そのものはキリストより天使に近いですかね。
でも天使だったとしても、背中の繊細に描かれる羽では飛翔できないかも、、、、丸まる太ってます。美味しそう。