ルーベンスの「我が子を食らうサトゥルヌス」です。
サトゥルヌスはローマ神話読みで、今わたくしが楽しく熱心に勉強しているギリシャ神話ではクロノスと言いますし、英語読みではサターンですね。
このクロノスは神々の長で親であるウラノスを殺してティタン族の神の王の座を手に入れた、といういきさつがあり、自分も子供に殺され王の座を奪われるぞ、と言われたこともあり、それを恐れて我が子を次つぎに飲み込んでしまいます。
妻レアは6人目の子供、ゼウスはそうはさせないと密かにクレタ島で産んで、、、、、とお話しは続くのですが。
画像は生まれた五人の子供を次々に飲み込んだその様子のクロノスで、他にゴヤの有名な絵もあります。
さて、クレタ島で育って成長したゼウスは父王に薬を飲ませて、それで兄や姉たちを父の口から吐き出させ救うわけでして、無傷なんですが、この絵ですと噛んでますから傷がありますよね。
ですから本には神話的には正確でない、という注釈がついてます。
この注釈がわたくしは面白いな、と思っています。
ギリシャ神話はだいたいが気の遠くなるような昔のお話し、、、、ずっと伝承で伝わって来てある時期から、それもかなり昔、紀元前のことですが書き記されて伝えられてきていますが、語る人によってはエピソードもいろいろでして、こうも言うし、こうも伝わっている、、、となかなか忙しいです、、、
何かの冒険で死んでしまった人が、そののちほかの冒険で助っ人として出てきたり、、、そんな矛盾はたくさんあるのに
こんなところでは辻褄合わせがきっちりしていて、その辻褄合わせがとても面白いと思ってます。
確かにつるんと飲み込んだから、またつるんと出て来たんでしょうね。だからこの作品のように子供の体をかじっているのは間違いです。
ギリシャ神話、面白くて止まりませんが、今年は「新曲」の作者ダンテが亡くなって700年なんですね、ひょんなことから知りました。
ダンテも何とかしなきゃ、勉強しなきゃと思っている一人です。課題はたくさんあるのにマイペースだから来世まで持ち越しかな?