この画像見て、どこの教会の天井かわかる人はそれなりにお勉強している方と思います。
そう、フィレンツェのカルミネ教会の天井画ですね。
この教会は、美術史をわたしのように趣味でちょっとやった者も必ず知る教会ですが、何故なら
このブランカッチ礼拝殿のマザッチョのアダムとイブのフレスコ画が所以と思います。
この絵は当時としては画期的な、アダムとイブが楽園を追われて嘆き悲しむさまが人間的、ってことで衝撃だったようです。
確かにね、、、天地創造の最初の男女とも思えない尊厳を感じられない風情。
このブランカッチ礼拝堂には他にもマゾリーノやフィリップ・リッピその子供のフィリッピーノ・リッピのフレスコ画もあります。
このようにそれほど広くない礼拝堂に何人もの人が描いた絵がぎっしりと詰まっています。
ところがこの教会の記事をたまたま読みましたら、いわゆる本堂の天井画も素晴らしいので、見ないで帰る人も多いが是非見て欲しい、とのことです。
俄然気になりました、ブランカッチ礼拝堂もマザッチョはよく覚えてますが、わたしたちは本堂にもちゃんと行ったかしら?
ちゃんと行ってました。ついでにしっかり娘のこともパチリ、撮ってますし。
この教会は13世紀に建てられて古いものですが、1771年の火事でこの本堂は焼けてしまって、で天井画はその時代の、バロック様式でだまし絵を使って再建されました。
トップの画像がその天井画ですが、どこまでが建築でどこからが描かれたものか、ちょっとわかりませんよね。こういうだまし絵はイタリアでは何度も見ましたが本当に素晴らしいです。
限られたスペースでを広く高く見せるための苦肉の策や工夫だったり、、ですが遊び心もないとね。
教会の外観ですがこんな殺風景なレンガや石が積んであるだけ、、、前面のファサードは作られていない未完成です。
フィレンツェで他にこんなファサードが未完成な教会があったように思います。メディチ家が庶民の反感を買わないように、中身は豪華絢爛でも外は質素にした、ということもあったようですが、この教会はどういう事情だったのか、、、最初はカルメル会修道士たちが建てたそうで、それ聞くとなんとなくレンガだけの寒々しい外観に納得します。
美術鑑賞をテーマにしてそれなりに勉強して観光しますが、あとで、そこまで行ってたなら、少し足を延ばせば、誰それのあれが見れたのに、と思うこともあります。
少しずつ知識も増えて、興味も広がってきているので、また行きたいな、の繰り返しですね。
ですが行かなくても、本や画集や美術番組でも美術の勉強はできますからね。それもまた楽しいです。